舞踊芸術の美を日本人以外に伝えたい!日本舞踊の奥深い世界

日本の美しい伝統文化のひとつである「日本舞踊」についてお話ししたいと思います。

皆さんは、「日本舞踊」と聞いてどんなイメージを持ちますか?着物や扇子を使って優雅に踊る女性たちでしょうか?それとも、能や歌舞伎などの古典芸能と関係があるものでしょうか?

実は、「日本舞踊」には、さまざまな種類や流派があり、その起源や特徴も非常に豊富です。

この記事では、「日本舞踊」とは何か、どんな歴史や魅力があるのか、そしてどこで見ることができるのかなどをご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。 「日本舞踊」とは何か? 「日本舞踊」という言葉は、一見するとシンプルに見えますが、実は意味する範囲が広くて曖昧だったりします。

「日本」+「舞踊」という造語でもあり、「日本的な」「伝統的な」「芸術的な」「型に基づく」「舞台上で披露される」などの要素を含む概念です

しかし、「日本的」という基準は時代や地域によって変わりますし、「伝統的」という基準も明確ではありません。
「芸術的」という基準も主観的ですし、「型に基づく」という基準も例外があります。「舞台上で披露される」という基準も必ずしも当てはまりません。

日本舞踊の歴史

「日本舞踊」を一言で定義することは難しく、多様性や流動性を認める必要があります。
「日本舞踊」の歴史 「日本舞踊」の歴史を辿ると、驚くほど長くて深いことがわかります。最初の記録は約1300年前に遡ります。

それは、「古事記」という神話集に書かれた「天岩戸開き」や「天鈿女命(あめ の うずめ の みこと)」の話です。
「天岩戸開き」とは、太陽神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が怒って岩戸に隠れてしまった時に、「天鈿女命」が他の神々を楽しませたり驚かせたりして笑わせた話ですね。

「天鈿女命」が行ったこの行為が、「カグラ」と呼ばれる祭礼芸能や、「マイ」と呼ばれる宮中芸能(宮廷音楽)へ発展していったと考えられており

その後、「マイ」から派生した仏教音楽・仏教芸能・修法芸能・山岳信仰等の芸能が発展していきました。
また、平安時代から鎌倉時代にかけては、宮廷や貴族の間で「舞楽」と呼ばれる雅楽の舞踊が盛んになりました。

これは中国や朝鮮半島から伝わった音楽や舞踊を日本風にアレンジしたもので、現在でも神社や仏閣で奉納されています。 中世になると、武士や庶民の間で「田楽」と呼ばれる農村芸能が流行しました。これは稲作の豊作を祈願するために行われた祭りや儀式で、獅子舞や鬼退治などの演目がありました。

「田楽」は後に「猿楽」という芸能へと発展し、さらに「能」という高度な芸術へと昇華され「能」は歌舞伎や文楽などの後世の演劇にも大きな影響を与えました。

その後近世に入ると、「歌舞伎」が登場してきます。
「歌舞伎」は江戸時代初期に女性たちが始めた大衆的な演劇ですが、後に男性だけの芸能となりました。「歌舞伎」では、「歌」「舞」「伎(技)」という三つの要素が組み合わされています。
「歌」は音楽や調子を表し、「舞」は踊りや所作を表し、「伎(技)」は演技や見せ場を表します。

「歌舞伎」では様々な物語が上演されますが、その中でも特徴的なものが「歌舞伎十八番」と呼ばれる定番の演目で
これらは江戸時代中期から後期にかけて活躍した三代目市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)とその一門が創作したもので、現在でも人気がありますね。

 

日本舞踊と歌舞伎の起源にある共通点とは?

まずは、日本舞踊と歌舞伎の起源と共通点について見ていきましょう。

日本舞踊は歌舞伎を母胎として発展した
日本舞踊は、江戸時代に大衆的な演劇だった歌舞伎を母胎として発展したものです。当時の歌舞伎では、「歌」「舞」「伎(技)」という三つの要素が組み合わされており、「歌」は音楽や調子、「舞」は踊りや所作、「伎(技)」は演技や見せ場を表していました。その中でも「舞」は女形(女性役)が主に担当するものであり、美しさや優雅さを見せることが重視されていました。

そんな女形に憧れた女性たちが自分たちでも真似してみようとしたことから、日本舞踊が始まりました。
最初は単なる模倣だったものが次第に独自性を持ち始め、様々な流派や作品が生まれていきました。現在では200以上もある流派から自分好みの一つを選んで稽古することができます。

しかし、日本能楽や狂言から影響を受けたこともあります。能楽や狂言は室町時代から存在する雅な芸術であり、その動きや音楽はゆっくりで落ち着いています。これらに対抗するように活発な動きや音楽を取り入れたものが元禄時代以降に登場した「荒事」と呼ばれる種類の歌舞伎です。「荒事」では立役(男性役)も積極的に「伎(技)」を見せるようになり、「物語性」と「ドラマティックさ」が強調されました3。「荒事の「舞」も日本舞踊に影響を与えました。特に、「荒事」の中でも人気の高かった「四季花撰歌舞伎」は、四季の花や風物を題材にした美しい踊りであり、日本舞踊の作品にも多く取り入れられました。

日本舞踊の五大流派とその特徴
次に、日本舞踊の五大流派とその特徴について見ていきましょう。

五大流派とは

日本舞踊には200以上もある流派がありますが、その中でも代表的なものを「五大流派」と呼んでいます。それぞれに特徴や歴史がありますが、ここでは簡単に紹介します。

花柳流:江戸時代後期から明治時代初期にかけて活躍した女形・花柳壽楽(はなやぎじゅらく)が創始した流派です。華やかで優雅な動きと音楽が特徴で、女性らしさを表現することを重視しています。
藤間流:江戸時代後期から明治時代初期にかけて活躍した女形・藤間勘十郎(ふじまかんじゅうろう)が創始した流派です。力強くダイナミックな動きと音楽が特徴で、男性らしさを表現することを重視しています。

 

日本舞踊についての外国人の感想

何人かの外国人からの感想をここに例として挙げてみたいと思います。

「日本舞踊は、日本の文化や歴史を感じられる素晴らしい芸術だと思います。特に、美しい所作や立ち居振る舞いに魅了されます。日本舞踊を見ると、日本人の心や精神が伝わってくるようですね」

「海外のダンスとは全く違う魅力があります。海外のダンスは動きが多くて華やかですが、日本舞踊は動きが少なくて静かです。でも、その静かさの中にも緊張感や表現力があります。日本舞踊は、一つ一つの動作に意味や感情が込められているからこそ、深い印象を残します」

「浴衣を着て体験できることが嬉しいです。浴衣は色や柄が豊富で美しくて楽しいです。浴衣を着ると自分も日本人になった気分になれます。浴衣を着て日本舞踊をすることで、日本文化の一部に触れられることができます」
音楽も素晴らしいです。三味線や太鼓などの和楽器は独特の音色で心地よくて癒されます。音楽と踊りが一体となって物語を紡ぎ出します。音楽も踊りも表現豊かで感動します」
「日本舞踊は、様々なテーマやジャンルがあります。四季の風景や花火大会などの風物詩だけでなく、恋愛などのドラマチックな話もあります。自分の好みに合わせて選べることが良いです。どんな話でも共感できることがあります」

 

日本舞踊をアレンジ?進化系日本舞踊とは?

あまり知られていないですが、伝統的な日本舞踊にも様々なアレンジが存在しています。日本舞踊の中でも代表的な「踊り」に対して、面白いアレンジをいくつか紹介しますね。

  1. エア日本舞踊: 日本舞踊の振り付けを真似て、実際には踊らずに空中で演じる「エア日本舞踊」というスタイルがあります。動画サイトなどで人気があり、海外でも注目されています。
  2. ヒップホップとのコラボレーション: 日本舞踊とヒップホップを融合させた「ヒップホップ日本舞踊」など、異なるジャンルの音楽やダンスとコラボレーションしたものも存在します。音楽のテンポに合わせて踊ることで、新しい表現が生まれます。
  3. 音楽との即興演奏: 日本舞踊の「踊り」と、生演奏される音楽を即興で合わせて踊る「即興舞踊」もあります。音楽家やダンサーが、相手の動きや音楽に合わせながら共鳴していく様子が、臨場感たっぷりで迫力があります。
  4. プロジェクションマッピング: 最近では、日本舞踊の舞台にプロジェクションマッピングを取り入れた演出が増えています。舞踊に合わせて映像を投影することで、舞台美術や演出が一層引き立ち、新しい世界観が生まれます。

伝統的な日本舞踊も美しいですが、新しいアイデアを取り入れることで、新しい魅力が生まれることもあるのです。

-文化

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